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救急外来の看護師に必須のスキル!トリアージについてのまとめ
救急外来で働く看護師はトリアージが必須のスキルとなります。実際にトリアージとは、どのようなことをしているのでしょう?
救急外来の看護師が行うトリアージにおいて、押さえてほしいポイントやスキルアップについて詳しく説明します。
目次 [目次を隠す]
トリアージについて
トリアージとは「患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと」を意味しますが、災害現場で用いられるトリアージと救急外来で行われる院内トリアージでは、やや意味合いが異なります。
災害現場では、限られた人的物的資源のなかで最大多数の傷病者に最善を尽くすために、治療優先度を決めることを目的としています。つまり、災害現場で死亡と判断された場合、残念ながら治療しないと判断されます。
一方、院内トリアージはすべての患者の診察が行われることが前提の上で、重症度や緊急度の高い患者を優先的に効率よく治療することを目的に行われます。
なぜかというと、救急外来は救急車での搬送だけではなく、ウォークインで受診される患者もいて、どうしても診察の待ち時間が出てしまいます。
しかし、歩いて受診したからといって軽症だとは限りません。待っている患者の中にとても重症な患者が隠れていることがあるのです!
それでも、複数の患者を同時に診ることは出来ないので、来院順に診察していると待合室で急変して心肺停止になってしまったなんてことも有ります。
このような事態を避けるために、救急外来の看護師は院内トリアージを行うことで、重症な患者を見落とさずに、迅速に医療を受けられるよう緊急度の判定をしているのです。
今回は、救急外来の看護師によって行われる院内トリアージについて詳しくお伝えします。
JTAS(Japan Triage and Acuity Scale)
JTASとは、患者の緊急度を評価するためのシステムのことで、救急外来の看護師が院内トリアージを行う際に用いられています。
カナダで用いられている緊急度判定支援システムであるCTAS(Canadian Triage and Acuity Scale)を基に作られました。
JTASは、成人では17カテゴリー・165症状に分けられており、さらにバイタルサインなどと併せて青(蘇生)、赤(緊急)、黄(準緊急)、緑(低緊急)、白(非緊急)の5段階で評価されます。
青(もっとも緊急を要する 直ちに診察および治療が必要)
赤(10分以内に診察が必要 15分ごとに再評価)
黄(30分以内に診察が必要 30分ごとに再評価)
緑(1時間以内に診察が必要 1時間ごとに再評価)
白(2時間以内に診察が必要 2時間ごとに再評価)
このように、診察に至るまでの目安や、それ以上に待ち時間が長くなった際に重症度や緊急度の変化がないか再評価する必要があります。
トリアージの流れ
では実際に救急外来において、看護師はどのような流れでトリアージをしているのかを見ていきましょう。
第一印象のチェック
↓
主訴の確認
↓
ABCD(気道、呼吸、循環、神経)、バイタルサインの確認
↓
既往歴やアレルギーなどの確認
↓
必要に応じた待ち時間ののち診察(診察までに時間があけば再評価も)
大まかに説明すると、このような流れが一般的だと思います。
例えば、腹痛を訴えている患者であればバイタルサイン以外に何を確認しますか?
前かがみになって歩いているか、顔色は悪くないか、冷や汗は出ていないかなどは、第一印象で簡単に見ることができます。
また、痛みの持続時間やどのような痛みなのか、嘔吐・下痢の有無、既往歴や過去に開腹歴はないかなどがあげられます。
また、第一印象の時点で冷や汗をかいており、顔色が悪い状況であれば、正確なバイタルサインを測らずに橈骨動脈を蝕知して簡易的に脈や血圧の確認をすることもあります。
なぜなら、トリアージでは診断をするわけではなく、重症度・緊急度を判断するからです。
問診に時間がかかってしまい、治療介入までに時間がかかってしまってはトリアージの意味がありません。
一刻も早い診察と治療が必要な状況では、トリアージに必要な観察や問診は最低限で行われています。
このように、特に重症患者においては、①~④の問診の項目は、ほぼ同時並行で行われていくことも多いのです。
トリアージの難しいところ
救急外来で看護師が行う院内トリアージについてお伝えしましたが、「トリアージって難しそう…」「JTASを使いこなせるか心配」「適切な判断ができる自信がない」など感じる方もいるのではないのでしょうか?
私も不安で仕方なかったですし、予想外の急変が起こることもありますので、何年経っても100%正確なトリアージなんてできません。
それでも心配しすぎることはないと思います。
2012年度の診療報酬改定に伴い、院内トリアージ実施料が新設されました。その条件として、看護師は救急領域3年以上の経験が必要です。
そのため、配属後すぐにトリアージをすることはありませんよ。救急の経験を積みながら、学習していけば大丈夫です。
また、JTASはアプリ化されていますので、パソコンやアイパッドを使用し、タッチパネルで年齢や症状、バイタルサインを入力して自動的に5段階を評価してくれるので、トリアージに迷った際は参考にすることもできます。
それでも、トリアージの判断に困る状況もあります。その中で気を付けてほしいことはアンダートリアージではないでしょうか。
アンダートリアージとは実際の緊急度よりも低く判断されてしまったことを言います。
安易に軽症と判断してしまうと、予期せぬ急変を起こしてしまうことにつながりますが、アンダートリアージを恐れて、オーバートリアージばかりしているとトリアージの効果が薄れてしまいます。
日々の振り返りをしながら、適切にトリアージできる知識を身に着けてほしいと思います。
患者の状態は常に変化する可能性があるため、適切に再評価しながら判断することが求められます。
トリアージの勉強をしよう!
救急外来の看護師で院内トリアージに関わるならば、トリアージナース研修会への参加がおすすめです。
日本救急看護学会が主催する研修で、2日間の研修を受講し、認定申請用紙とトリアージ実践件数リストを後日提出すると、トリアージナース認定ももらえます。
受講するためには、日本救急看護学会が主催するフィジカルアセスメントウェブ試験に合格していることが必要となります。
また、救急外来のスタッフ間で勉強会を行うことも有用でしょう。実際の事例やアンダートリアージになってしまった事例を基に振り返りを行い、情報を共有することで、トリアージに関わる看護師のトリアージ技術の向上につながります。
まとめ
トリアージについてまとめましたが、いかがでしたか?
院内におけるトリアージは、患者の緊急度を適切に判断し、迅速に治療につなげられるとても大切な役割だということが分かったと思います。
トリアージのスキルを向上させたいと考えている方は、トリアージ実施料を加算している病院で働く方が良いでしょう。
どの病院が加算しているのか分からないということであれば、転職サイトがおすすめです。
救急外来の求人も取り扱っていますし、実際にトリアージ実施料が加算されているのか教えてもらうことができますよ。
執筆者情報
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